日本生気象学会

Japanese Society of Biometeorology

熱中症予防研究委員会

地球温暖化やヒートアイランド現象などにより、私たちの暮らす日本の気候は、以前に比べ暑くなっています。真夏日、猛暑日、熱帯夜の日数も増加しています。近年、熱中症による死亡者数は増加傾向にあります。とりわけ顕著だったのが猛暑となった2010年です。この年、1,745人の方が熱中症で亡くなり、その80%は65歳以上の高齢者であり、45%は家庭つまり日常生活で発生していました。このように、高齢者の熱中症、日常生活における熱中症の予防は、今日の我が国の重要な社会的課題となっています。
 日本生気象学会では、2008年4月に「日常生活の熱中症予防指針Ver.1」を公表しました。東日本大震災の発生を受けて、2011年5月に「節電下の熱中症予防緊急提言」を、2012年4月には、暑さに慣れるための方法、衣服や住居の工夫による暑さ対策を盛り込んだ「日常生活における熱中症予防指針Ver.2」を、さらに、これまでの指針内容を整理するとともに新知見を加えて、2013年4月に「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」を公表しました。その後、2021年3月に訂正版を、同年6月にVer.3_1、同時に「日常生活における熱中症予防指針」小冊子(第2版)の発行に至りました。これらの指針は、学会のホームページからダウンロードしていただけます。また、日本生気象学会では、指針の公表だけにとどまることなく、「公開市民講座・シンポジウム」などの開催を通して、市民の皆様へ向けた指針の啓発・普及活動にも取り組んできました。
 「日常生活における熱中症予防指針」小冊子(第2版)は、「日常生活における熱中症予防指針Ver.3_1」の内容を、より広く利用していただくために、一般市民の方向けに分かりやすく、できるだけ平易な表現でまとめたものです。この冊子によって、暑さに慣れる方法、暑さに備える住居の工夫、暑さ対策としての衣服や生活の工夫、正しいエアコンの使い方などをご理解いただき、熱中症にかかる方が減ること、そして熱中症で亡くなる方が少しでも減ることを願っています。

熱中症予防研究委員会 名簿(2023年5月31日現在)

上野 哲 東洋大学
小野 雅司 国立環境研究所
齊藤 宏之 労働安全衛生総合研究所(委員長)
佐古井 智紀 信州大学
薩本 弥生 横浜国立大学 (会員外)
土川 忠浩 兵庫県立大学
都築 和代 関西大学
時澤 健 労働安全衛生総合研究所
登内 道彦 財団法人 気象業務支援センター
永島 計 早稲田大学
永田 高志 九州大学
林 紀乃 東京都監察医務院 (会員外)
平田 晃正 名古屋工業大学
細川 由梨 早稲田大学
松本 孝朗 中京大学
山口 隆子 法政大学
山下 直之 京都工芸繊維大学
渡邊 慎一 大同大学

( 五十音順:敬称略 )