日本生気象学会

Japanese Society of Biometeorology

気象病•天気痛研究委員会

気象病・天気痛委員会の発足について

現在、気象病・天気痛委員会の2021年11月からの発足を目指してワーキンググループ(WG)を立ち上げました。今後、以下に示す理念や目標の下に活動を行なっていく予定です。

気象変動と健康との関係

  • 異常気温や大洪水など大きな気象変動がおこっており、災害や社会問題になっています。同時に、災害被害にとどまらず、われわれの健康へ影響や病気の発症への影響が報告され、関心が高まっています。
  • 気象の変化の影響によって生じる、あるいは気象の変化によって悪化しやすい病気が認知されています。これらを総称して気象病と呼ばれています。また、病気とはいえない体調不良や気分の落ち込みの原因としても気象の変化が関係することが示唆されています。気象病は、大きな気象変動とともに、将来的にもより大きな問題となることが予想されます。*(気象病の例)天気痛とよばれる慢性痛、喘息、心疾患、花粉症、熱中症など多岐にわたります。
  • このため、現代人が健康に暮らしていく上で、気象の問題が切り離せないと言えます。しかし、気象病の原因の科学的解明は始まったばかりであり、治療についても手探りの部分が非常に大きいのが現状です。

気象病•天気痛の理解と解決に向けて

  • 気象病•天気痛を科学的に理解し、解決していくには、医科学の方法論のみでは不十分です。例えば、居住環境、都市環境、衣服環境、栄養学的など多角的、学際的な研究や対策が必要になります。
  • 本委員会は、気象病•天気痛に関係する様々な専門分野の知恵を集結して、学際的研究プロジェクトの立ち上げ、最新の情報の収集を行い、それらの成果を一般社会に広く発信することを行います。また気象変動に対して関心をもち、健康的な日常生活を持続するための手段の一つとして活用する啓蒙活度を行うことを目的とします。
  • さらに、気象病•天気痛についての社会的認知度を広げ、研究者や気象の専門家のみならず、気象の専門家や一般の多くの方に興味を持っていただき、委員会が行う様々な活動に参加してもらうことで、心身ともに健康な暮らしの創出に寄与したいと考えています。

気象病•天気痛WG (2021年8月26日現在)

櫻井博紀 (WGリーダー、常葉大学、理学療法士)
秋田壽紀 (東洋医学研究所グループ🄬ことぶき鍼灸院、鍼灸師)
大塚靖子 ((株)ウェザーニューズ、気象予報士)
重田祥範 (公立鳥取環境大学)
松本孝朗 (中京大学、医師)
佐藤純 (中部大学、医師)