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節電下の熱中症予防のための緊急提言

日本生気象学会
熱中症予防研究委員会

 3月の東日本大震災の結果、東京電力・東北電力では計画停電が実施され、今夏の電力不足が懸念されている。これに伴い、空調設備が使用不能になったり、使用を控えたりすることによる熱中症の増加が予想される。我々は2009年12月に公表した「日常生活における熱中症予防指針」の提案者として、国や地方自治体および電力会社での努力とは別に、個人の日常生活での予防対策について、今(5月)からできる個人の対策について緊急提言する。 (高齢者、慢性の疾患の患者、乳幼児など抵抗力の弱っている方々は、特に最新の天気予報や熱中症予報に注意し、個別の注意事項にも配慮していただきたい。)


1)真夏になる前に暑さに強い体を作ろう! 本格的な季節の到来前の5月〜6月に、「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる(少し汗をかくくらいの)運動を1日30分間、週3回、4週間程度実施すると暑さに強い体になります。さらに、その運動直後にたんぱく質と糖質を多く含んだ食品(牛乳など)を摂取するとより高い効果が得られます。詳細はこちら(PDF)

2)こまめに水分補給、塩分(ナトリウム)も忘れずに! 発汗で体液量(血液量)が低下すると発汗や皮膚血流などの体温調節能がさらに低下します。水分補給はこれを防止します。汗と尿の量がいつもより少なくなったり、尿の色がいつもより濃くなったら要注意です。喉が渇く前に補給するのもポイントです。詳細はこちら(PDF)

3)衣服の工夫で暑さを防ごう! オフィスではノー上着・ノーネクタイの軽装を実行しましょう。Tシャツ・ポロシャツにカジュアルパンツもお勧めです。汗を吸いにくいワイシャツやブラウスの場合は、吸汗速乾性のインナーなどを着るとべたつきを防いで快適です。普段の室内生活ではタンクトップに短パンなど皮膚を露出させることが効果的ですが、戸外では反対に皮膚の露出を抑え、日傘やつば広の帽子などで日射対策を心がけましょう。

4)冷却グッズを上手に使い、より快適に! 首や頭に水でぬらしたスカーフやバンダナ(保水性の高い高分子ポリマーを組み込んだ製品もある)を巻くと気化熱で体温を下げることが出来ます。就寝時にも水(氷)枕や、涼しく就寝できる寝具(水やジェル、シリコンを用いた冷却パッド、涼感素材、温度調節素材、送風敷きパッドなど)を用いることで、暑い夜をより快適に過ごしましょう。

5)住まいの工夫で暑さに対応しよう! 樹木、緑のカーテン、よしず、すだれなどで日差しをふせぐこと、風や温度差を利用して通風をするために高さの違う窓を開けること、うちわや扇風機の風を体に当てること、屋根や庭等への水まきや植物の蒸散の気化熱を利用することで涼しくすごせます。温度計をこまめにチェックする、夜の冷気を賢く利用するなども有効です。詳細はこちら(PDF)

6)外出時の注意で体感温度を下げよう! 屋外では日陰を選んで通行し、信号待ちなどで立ち止まる場合は,涼しい木陰建物の陰に入り日ざしを防ぎ、風の通り道に身を置くことで体感温度を下げることができます。暑さに耐えられない場合は、冷房の効いたバス等に避難することも考えられます。詳細はこちら(PDF)

(熱中症予防研究委員会作成 2011年5月14日 幹事会承認)